「使える収納の考え方とコツ」


片付けと収納は家をキリモリする者の最大の関心事です。

「片付け」のクセは個人の性格による部分が大きいので普遍的な「片付く間取り」というのは無いのも、また真実です。

主婦建築士がお施主様の収納を考える際にどのように考えて収納スペースをご提案しているか、お伝えします。皆様はご自分とご家族に合った収納というものについて考えてみてください。

【基本的なこと】

収納計画に取り掛かる前の基本的なことをお教えします。

1.必要のないモノは捨てる

「収納の容積<モノの容積」だと絶対に片付かない。
これ、当たり前のことなんですけど、実は気がつかない方が多いです。

2.モノの定位置を決めること

「リモコンはここ」「冬のコートはここ」と片付ける場所を必ず決めること。お部屋を見て、その辺に転がっているものは定位置が決まってないモノではないですか?

この2項目はどの「お片づけ本」にも書かれているセオリーです。
実はこの2項目を守っていれば絶対に散らからないのです。
逆に散らかるのはこの2項目を守っていないからです。

nico

賃貸にお住まいの方は収納スペース自体が少ないので「私は片付けができない」と思わずに「家の収納スペースが少ないのが悪い」と思ってOKです。
賃貸住宅は基本的に収納スペースが床面積に対して5%程度だからです。

数値でいうと、片付く家にするには延べ床面積の15%以上の収納スペースが必要で20%以上だとかなりの収納優良物件になります。

データでいうと簡単ですが、パーセンテージをクリアしているからといって片付く家になるか、というと、そうでもありません。

以下に書く内容を十分吟味することが大切です。

nico

さて、いよいよ本題です。

新築の間取りを決める時に収納スペースを考える時は上記を大前提として気をつける点が4項目あります。

【収納を作る時の基本】

1.ご家庭のモノの量をきちんと把握すること

ご自分がどのくらいのモノを持っているのかを知らないことには当然きちんとした収納計画はできません。

  • キッチン家電が多いのに並べるスペースがなかったり
  • 本が多いのに本棚が小さかったり(しかも本は増えるので余裕を持って)
  • 靴が多いのに下駄箱が小さかったり
  • スキー板や扇風機を置く便利なスペースがなかったり。

そういう失敗をしないためにもご家庭のモノの量を十分に把握して(特にスペースを取る大きなモノ)「これはここに収納する!」とプラン上で決めていくと良いです。


2.適材適所に収納スペースがあること

キッチン周りや洗面脱衣室の中に収納がたくさんあってもリビングに収納がなければ、間違いなく散らかります。

また、使いやすい位置に片付く定位置(収納)がないと、結果よく使う場所にモノが鎮座する(=散らかる)ことになります。

まずは、間取りを見ながら
ご自分がその間取りの中で生活している様子を何度も頭の中でシュミレーションしてみてください。

「お子様のお着替えはどこでして、服を入れる場所はどこ?」
「雑誌はどこに安置するのだろう?」
「キッチンのゴミ箱ってどこに置くの?」
「救急箱はどこに置くんだろう?」
「2階の扇風機を冬の間はどこに置くのかな?」

など、たくさんの「どこに置くのかな?」があると思います。
ひとつひとつ「これはここに置けば便利」と決めていってあげると良いです。

それを何度も何度も繰り返します。
シュミレーションで全てのモノが片付いたらOKです。

3.収納しやすい収納スペースの形(奥行・高さ・棚の可動性)であること

お布団を入れたいのに、奥行が60cmのクローゼットしかない。
そんな失敗はプラン上よく見ます。

これは「この部屋で何を収納する可能性があるか?」という検証を怠った結果にすぎません。

その場所の収納に何を入れるか、入れる可能性があるか、をよく考えて収納の奥行を決めていきましょう。だいたいの日用品は25cm~45cmの棚であれば使いやすく収納できます。

幅・奥行半間(約80cm)の収納スペースでも奥に30cmの可動棚右サイドに20cmの可動棚をつけてもらうと(つまりL字の棚構成になります)狭いながらもウォークインクローゼットになります。

掃除機を入れたい場合は、掃除機の高さ約110cmより上に棚板をつけてもらうと良いです。

一番早いのは「可動棚」にしておくことです。後から入れたいモノによって、棚の高さを調整することができます。

そんな風に「何を入れるか」によって収納の棚の奥行・高さを決めたり、動かせる棚にしておくことによって使いやすいフレキシブルな収納にすることができます。

ただし、可動棚はあまり重たいモノを載せるのには向きませんので石油ファンヒーターなど重たいモノを載せる棚は動かない棚(固定棚)にしてもらいましょう。


4.ご自分の性格にあった特徴の収納にすること'

整理整頓が苦手なのに「見える収納」にしたり、めんどうくさがりなのに「可動式の収納(ワゴンなど)」を設置したり。

間違いなく「ぐちゃぐちゃのオープン棚」になり「出しっぱなしの邪魔なワゴン」になります。

整理整頓が上手な方は逆にオープン棚のほうが出し入れしやすく「扉を開ける」という無駄なアクションがなくなるので楽です。

nico



以上、こんな風にアースカラー設計ではお客様のモノの量と行動パターンとお客様とご家族の性格を見ながら、収納スペースを決めていっています。

実は「自分ではモノの定位置を決められない」という方が多いのですが、モノの定位置の決め方のコツとしては

「そのモノを使う場所のそばが良い」ということと
「フレキシブルに収納場所を考えると良い」ということ。

マガジンラックにリモコンを置いても良いですし、食器棚の中に救急箱を入れても良い、ということです。

皆さん「これは食器棚だからキッチン関係以外入れない」とか収納にカテゴリーを決めて、それに縛られがちですが便利で衛生的に問題なければパソコンデスクの引き出しに箸を入れても良いのです(実話)。


とにかく定位置を決めてしまうこと、が最優先事項です。


アースカラー設計では「整理収納(お片付け)サポート」も行っています。
「一人では片づけられないよ!」の方はぜひご相談ください。