プロのための木造建築強化ツアー(1)

お江戸の時代から紀州杉の山を守り続け、林業~製材~プレカットをトータルで手がけている、かの有名な山長商会さんの工場を見学しました。

 

ナビゲーターは榎本常務

 

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工場内は材木加工の音が大きく、会話もできないくらいなので、見学者はみんなインカムでレクチャーを受けます。

 

まずは原木丸太の皮を剥ぎ、規格によってえり分ける所から。

 

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次に、熟練職人さんの目利きでノコを入れられる丸太。

 

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切り落とした部分は耳つきのカウンター材や間柱など、いろいろな部材に加工していきます。「丸太1本買って使い尽くす」というのは製材所ならでは、ですね。

 

これが山長さんの高温蒸気+減圧乾燥機の釜です。

 

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ちなみに丸太を剥いた皮を燃料にしているそうです。

 

減圧するので水の沸点が低くても乾燥工程が進むのです。さて、この釜で乾燥された木の特徴は

 

沸点が低いので中まで乾くまでに材木がこげない=白身が白い

 

普通の製材所の材より、白い。わかりやすく言うと、そんな感じです。また、なんと柱に背割りを入れなくてもいいそうです。柱4方向あらわしの計画では、とっても夢のような材木です。

 

さて、山長さんのすごいトコ。それは無垢の材でJAS規格を取っているところ。JASが無ければ、ただの無等級扱い。自分達が大切に育てた木の「品質を見える化した」そうです。

 

たしかにいまいち品質の良し悪しが解りにくい無垢材は、今まで敬遠されていた感がありますので、製材所サイドのその努力は、頭が下がる思いです。

 

まずは目視で材をえり分けていきます。

 

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次に良い木だけ含水率・曲げ強度をマシンで測定します。一本一本そのデータがパソコンに自動記録されていきます。

 

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そして、印字。認証番号と材の寸法、そしてヤング係数が書かれています。

 

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きちんと森林再生に配慮された、森の伐採木であることの証明も印刷されます。これで、私にもこの無垢の柱の品質が見て解ります。

 

すごいアップ

 

さて、榎本常務から「良い材の見分け方」を教えてもらいました。

 

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①芯がど真ん中にある

②目が詰まっている方が良い

③横架材の場合は中心より外側(曲げを受ける部分)が詰まっていること

 

良い丸太と良い製材技術、どちらも大切だそうです。

 

やっぱり山からつながっているんですね~ニコニコ

 

プレカット済の材木のお山。

 

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曲がり梁などは、ある程度は機械ですが最後はやっぱり手刻みです。

 

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何度も何度もチェックされながら、丁寧に製作されていきます。

 

プロのための木造建築強化ツアー(2)に続きます。

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