プロのための木造建築強化ツアー(3)
さて、研修旅行2日目は山長さんの所有するお山見学です。
山守の松本さんに案内していただきました。
本当に山の木を守って育てていらっしゃるんですよ!
製材所に届くまでの木の品質管理は松本さんが主でされているのです。文章には書きつくせないほど、とっても丁寧に教えていただきました。
まずは紀州と他地方との材の違い
【木曽材】
・差し木から苗を作る
・1ヘクタールに幼苗を1万本植え、間引いていく。
・日当たりにより年輪間隔が変わる。
幼苗のころ密生している木曽材は目が詰まっている。
【紀州材】
・種から苗を育てる。(枝や節が差し木苗より少ないので)
・1ヘクタールに幼苗を5千~6千本植え、間引いていく。(16年目までは目が粗い)
【九州などの一般的な材】
・1ヘクタールに幼苗を2千本植える。
・最初から密度が低く日当たりが良いため、目が粗くなる。
つまり良い材をつくるためには、たくさん苗を植えなければならない。そのためにはお金がかかる。ということ。
いわゆるブランド材というのは、その分手間とお金がかかっている良い材なのです。
「ほら、この切り株がとってもわかりやすい良い材です」
きっちりと年輪が等間隔につまって、芯はど真ん中。ちなみに写真に写っている男性が伊礼さんです。伊礼さんは森が大好き。
みんな、わからないことを、どんどん松本さんに聞いていきます。
その奥深さに、ほえ~、すげ~、となっています。
地ごしらえ→植え付け→下刈→除伐→間伐→主伐と、林業のお仕事のフローも現地で生々しく(?)説明。「あの山の尾根とこの山の尾根にワイヤーを張って~」と、とんでもなくスケールの大きな現場説明でした
森の中を歩き、この土の状態だと、この程度の木の密度だと良い材になる、と、本当に長年の感覚でしかわからない事を松本さんが語ってくれます。
木は大きければ太ければいいというものではなく、きちんと目が詰まってないと、良い商品にならない。と
また歩いていくと、この付近は失敗してしまった。社長に申し訳がない、と話す松本さん。60年かけて育てる材の管理の責任の重さと難しさをしみじみと感じました。
林業、なんという世界でしょう!!!!!
その100年単位のサイクルを守り続ける努力を続ける山長さん。ホント、なんという世界でしょう。
こんなお話を聞いてしまったら、私達は木を愛さずには居られないと思います。
どんな作物も商品も、もちろんそうだけれど。その情熱。
長い年月かけないと育たない、この木たちにかけられた手間ヒマ愛情といったら。
建築に携わる者として、背筋の伸びる経験をしました。そして、この情熱を啓蒙していかなければいけないな、と思いました。
さて、色々とお世話になりっぱなしの2日間。
研修生のみんなとも、とっても仲良くなり、別れるの名残惜しかった~!!。
白浜駅前で別れたくなくてうだうだしている所、最後のイベント。
今回の主催である
掛け声は「はい!ビルダーズ!!」
参加者みんなで今回感じた熱風を、きちんと現場レベルで落としていくんだぞ!
特に私、がんばって伝えるのだ
プロのための木造建築強化ツアー(4)につづきます。
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