【車椅子(自活性対応)・後期高齢者・ネコのためのリフォーム】「理解する」ことが最重要
【レトロ・アンティーク・間取り相談・二世帯住宅・豊中・北摂・大阪・関西の女性建築家(設計士)】
主婦で一級建築士の土肥です。
先日、車椅子(自活性対応)・後期高齢者・ネコ多頭飼いのお家の現地調査が行われました。
住宅改修の補助金を使う場合は「リハビリテーションセンター理学療法士さん」「区役所の福祉課の職員さん」「補助金のための福祉器具販売業者さん」「補助金のための市役所に登録のある工務店さん」「車椅子の本人(施主)」「ケアマネさん」がそろい踏みの現地調査が必要になります。
今回、土肥はその中に混ぜてもらっている感じです。
お施主様から先に聞いていたことでは「この一大イベントまでプランは作成できない」とのことでした。が、どう考えても、これだけの人間が集まる時点で、図面も希望間取りも無い、というのは時間と機会の損失だと思ったので、先にお施主様家族とネコ様にヒアリングして「ご家族の希望としてはこうだ」という図面を準備しました。
準備の甲斐あって、全員になんとか、ご希望を説明できたかな?
あと、当然なのですが、工務店さん以外は「福祉のプロであって、建築のプロでない」。
なので、図面というものをきちんと読み取れないのです。読み取れるのは、せめて平面のみ。図面に車椅子の回転必要寸法(直径1m50センチの円)を書いておいて、良かったです。それで、かろうじて伝わりました。
お施主様が言っていたのですが「調査はこれで3回目。毎回違う方が来られる。今回は工事前なので特に人数が多い。片付けもしないといけないし、ネコも居るし。本当に疲れる。」これが本音です。
建築の人間から言うと、現地を見たのに現況図も上げないのは不思議でしょうがないのですが、福祉の制度としてこうなんだろうなぁと、現実との歪の大きさを実感しました。
と、言いながらも、さすがにこれだけの人数が集まった現地調査は素晴らしい内容で終了。わからない事も、全てその場で聞けたので、とても勉強になりました。
ただ一つ、残念だったのは皆さまが「車椅子の人間のためだけではなくご家族全員のためにリフォームする、という事を理解していない事」でした。
後日「ご家族全体のためになっていないプラン」が出てきました。その意図を確認しましたが、結局、そのようなプランを出してきたのは「きちんとヒアリングできてないから」。
お施主様は当然「福祉の方が出してきたものだから、言う事聞かないといけないのかな?」となりましたが、理学療法士の方が「本人とご家族の希望が最優先だから、気にせず正直に判断して良いです」と言ってくださったので、無事に元のプランに戻りました。
また、プランの調整は役所の方はやってくれません。業者が出してきた内容を当事者に決めてもらう。もちろん、そうでしょうが、内容を集約しているのが役所なのに、調整はしてくれないのか、とちょっと不思議でした。
まあ、その歪の調整のために今回、土肥のような一級建築士が挟まっているのですが。
家とは家族全体の最重要事項です。家の住みやすさで家族は幸せにも不幸にもなります。
ケアマネさんに後から聞くと「通常、障害者のご家族の方は必要最低限(介助前提)の内容のリフォームしかしないので、今回のようなご家族のことも考えて、という事にはならないのです。お金もかかりますしね。」ということでした。
今回は車椅子(40代)・後期高齢者(70代)・ネコ(8匹)ですので、健常者の介助自体を期待できない、むしろ車椅子(40代)が家の事を切り盛りしていかなければならない、そんなご家庭ですので、特殊なのかもしれません。
しかし、補助金以外で少しがんばってリフォームすれば、介助が減る、という事も当然あります。障害者本人が自分一人でできることが増える環境が一番です。これは高齢者のための住環境でも同じです。
もし、同じようにお考えの方でリフォームを考えている方がいらっしゃったら、ぜひアースカラー設計の「お問合せ」からご相談ください。
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