「間取りのセカンドオピニオン」の落とし穴

【レトロ・アンティーク・間取り相談・二世帯住宅・豊中・北摂・大阪・関西の女性建築家(設計士)】

 

主婦で一級建築士の土肥です。

 

「間取りのセカンドオピニオン」当事務所の人気メニューです。実は12年前からやっています。当時はネットで検索しても、うちの事務所しかありませんでしたが、現在は検索すると10件くらいありました(当事務所より検索上位でした(笑))

 

競合リサーチをしてみましたが、とても不思議なことがありました。そこが落とし穴だと思うので、注意点をまとめておきます。

 

(1)「間取りのセカンドオピニオン」で自分の設計した実際の完成のお家の事例を掲載している方は、当事務所ともう二事務所の三社

 

これは衝撃でした。他の間取りのセカンドオピニオンは「自分が設計した家すら掲載できない立場の方々」ということです。うちと他の二社さんは、いわゆる設計事務所さんで、やはり家づくりを失敗する消費者に心を痛め、社会貢献的な価格でやってくれています。

 

まず、「経験とスキルのある建築士がセカンドオピニオンしてくれているのか」というのは最重要事項です。「建築をよく知っているだけの建築士」と「使いやすいお家を実際に設計してリアルに家が完成し、お客様に喜んでいただいて、事業を継続している建築士」では、アドバイスの信憑性に天と地の差があるからです。

 

(2)セカンドオピニオンマッチングサイトは結局ピンハネしてる

 

以前、建築家マッチングなどという商売が流行り(今もありますが)、「間取りのセカンドオピニオン」にもマッチングサイトがあります。マッチングサイトはお手軽ですが危ういです。こんな話があります。

 

設計としてマッチングサイトで紹介された建築士が斬新な設計をしてくれたので依頼した結果、実はスキルが無いために斬新な設計ができたと判明し(つまり、実際に建たない家を提案した)、裁判になった、というリアルな話を知人から聞きました。

 

つまり「マッチングサイトは良い建築士を紹介しているわけではない」ということです。紹介や掲載料で儲けているサイトです。だったら、(1)で紹介したような、信頼できる設計事務所にきちんと直接依頼した方が安くて確実です。

 

そういえば、建築雑誌に載っていた有名建築家にお家(重度障害の方のお家)の設計依頼をして、先に伝えていたにもかかわらず、リフトを取り付けることができない仕上がりになっていて、建築家に訴えたが取り合ってもらえず、裁判をすることもできず、お施主さんは結果、怒りの矛先として建築雑誌社に怒鳴り込みに言った、という話を友人建築士に聞いたことがあります。

 

ここで何をお伝えしたいかというと「結局、人選びはギャンブルである」ということです。その建築士が、なぜ間取りのセカンドオピニオンを行っているのか、その方のブログなどで「想い」をきちんと確認してみてください。

 

また、安すぎる間取りのセカンドオピニオンは「自分の設計に鞍替えさせたい(受注したい)」だけですので、条件付き土地の方などは不利になると思われます。

 

(3)周辺環境と日当たりを考慮してない間取りのセカンドオピニオンは意味がない

 

間取りのセカンドオピニオンのサイトで「周辺環境は考慮せず、間取りだけ見ます」と堂々と書いてあるサイトがありますが、そこにお金を払う意味ありますか?

 

家の最重要事項は「日当たり・風通し」「隣と窓が被ってないか」など敷地条件の制約をクリアできているかどうかです。どんなに使い勝手の良い間取りでも、一日中日も当たらない家だとすると、その家づくりは成功といえますか?

 

当事務所の間取りのセカンドオピニオンでも、お客様は「使い勝手を見て欲しい」とご依頼になりますが、約半数のお客様の間取りが「リビングに日の当たらない家」の間取りにも関わらず、気が付いていません。そこを指摘すると心底びっくりされます。

 

設計は見てすぐ「これ、日あたらんやん」とわかります。お客様にCGを使って日の当たり具合をご説明すると、ご納得していただけますが、やはり、それくらい日当たりに関しての判断は素人さんには難しいのだと思います。特に新興住宅地の方は周辺に何もない更地なので、余計わからないでしょう。当事務所では、周辺の更地にどのように家が建つか予想して(実は経験がある設計なら、その予想は簡単です)、その上で「日あたらんでしょ」とお伝えします。

 

当事務所は敷地周辺の写真を必ず撮って送信していただきます。周辺の建物や構造物との兼ね合いで、日が当たるか、窓は隣と被ってないか、など判断します。

 

本来は、ご自身が依頼している家づくりのパートナ(業者)に聞いて、きちんと確認してもらうことが重要なのですが、実際はきちんと答えてもらえない事が多いのでしょうか。

 

以上、くどくど書きましたが、せっかく「間取りのセカンドオピニオン」をお金を出してしたのに、やっぱり日が当たらない家になった、などという悔やんでも悔やみきれない経験を消費者の皆様にしてほしくないので、やっぱりくどい文章になりました(笑)

 

当事務所の間取りのセカンドオピニオンの「お客様の声」でわかりやすい事例がありますので、ご参考までに。この方は、LDKに全然日の当たらない間取りをお持ちになって「日あたりませんよ」とお伝えさせていただいた方です。TH様、お元気にされてますか??

 

お客様の声(神奈川県)

 

TH様のチェックシート

 

チェック入り過ぎて、真っ黒のチェックシート

 

家づくりは、本来は楽しく真剣に、信頼できる家づくりのパートナーと一緒に作り上げていくものだと思っております。セカンドオピニオンなんか必要のない、家を商品として売るだけの建設業界で無くなるのが一番です。その間取りのセカンドオピニオンですら、売り物として消費されている世の中を、すこしうんざりしながら見ています。

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