使いにくいキッチンの検証

 

主婦で一級建築士の土肥です。

最近引っ越しをしました。未だに終の棲家が定まらず相変わらず賃貸物件です。分譲賃貸で築17年のマンションです。

 

今回のキッチンが非常に使いにくい!ということで検証しました。ちなみに土肥は右利き、身長163㎝です。

使いにくいキッチン。何が悪いか検証します。

こんなキッチン。ぱっと見はいたって普通。

 

(キッチン情報)

・長さ2m40㎝

・左シンク、右コンロ

・人造大理石カウンタートップ

・対面キッチン(吊戸なし)

・キッチン向こうに奥行40㎝のカウンターあり

・食器洗い乾燥機なし

・引出式

・ガラストップコンロ巾75、片面焼きグリル

・浄水機能付きシャワー水栓(伸びるヤツ)

・ディスポーザー付き

 

1.奥行70㎝

一般的なシステムキッチンの奥行は65㎝。+5㎝のせいでキッチン向こうにあるカウンター上にあるコーヒーメーカーに手が届きにくい。65㎝とはよく考えられた寸法なのだと改めて感心した。ちなみ、うちの旦那さん(175㎝)だと特に問題なく使えるそうです。

キッチンの奥行が70㎝。キッチン向こうのカウンターに手が届きにくい。

2.シンクの左側に水栓がある

これは非常に珍しいパターンで右利きの人間には非常に使いにくい。しかも今回ビルトイン食洗がないので卓上型を設置しなければならないのにキッチン左端に水栓があるため卓上型食洗がシンク上に置けない事態となった。仕方なく正面カウンター上に食洗を置く羽目に。

キッチン端に水栓。非常に使いにくい

3.ディスポーザー

生ゴミをディスポーザーで処理できて便利ではあるが、キッチンシンク下がゴム臭い+生臭くて仕方ない。キッチン下の配管の隙間から臭うのかと全て隙間を埋めたが変わらず臭う。これはディスポーザーの制震ゴムに生ゴミの臭いが染みついて臭うと考えられる。持ち家であれば制震ゴムを交換すれば解消するのであろうが賃貸である以上、仕方ない。分譲マンションのディスポーザー=生ゴミを分解処理する設備が必要となり、管理費・修繕積立金が高くなる要因となるため、自分ならディスポーザー付きマンションは買わない。

 

4.浄水機能付き水栓

伸びないヤツはこれで良いと思うが、伸びるヤツは非常に使いにくい。イメージとしてはマイクくらいのものを毎度抜き差しする感じ。浄水器用水栓を別につけると蛇口が邪魔で水栓の掃除が2ヶ所になるのがイヤではあるが、どちらかを選べというのであれば浄水器は別水栓にするかな。

浄水機能付水栓。マイクのようなボリュームがある。

5.片面焼きコンロ

やはり両面焼きが良い。魚もモチもひっくり返さないといけない。片面焼きでもグリルパンを入れると良い感じで焼けるがキッチンリフォームする方には予算が無くてもコンロだけは両面焼きをオススメします。

 

6.ガラストップコンロ巾75㎝

個人的には作業スペースが広い方が良いのでコンロ巾は60㎝で良い。

 

7.引き出し式

個人的には観音扉派である。汎用キッチンで引出しレール金物があまり良くないため、モノを入れると引き出しが非常に重い。高さのある引き出しがコンロ下のみのため鍋でいっぱいになり、オイルポットなど少し背の高いモノを入れる場所がない。シンク下は一見深い引き出しに見えるが、シンク分だけ高さを奪われているので、実は浅い引き出し。シンク下も高さのある引き出しにしてほしい。キッチンリフォームする方は引き出しの高さとレール金物の質には気をつけましょう。

8.キッチンパネル

前回の家のキッチンパネルがホーローパネルで磁石がくっつき非常に便利であったため、今回の磁石のつかないパネルが不便で仕方ない。タカラスタンダードが磁石が付くホーローキッチンパネルを販売しており最近はパネルだけでも発注可能になった様子なので、キッチンリフォームする方はタカラスタンダードのショールームにまずは行ってください。

 

9.人造大理石カウンタートップ

個人的にはステンレストップ派。ステンレスは熱いものを置いても大丈夫だし調味料をこぼしても染みこむこともない。今回は17年前のキッチンの人大トップ。汚れの染み込みと樹脂の劣化特有の黄ばみが見られる。最近の人大は良くなったと言われているが、個人的にはデュポンのコーリアン以外は信用していない。今回はキッチン向こうのカウンターが天然石(桜御影石)製なので熱いものを置いてもパンをこねても大丈夫。天然石素晴らしい。

天然石(桜御影石)奥行40㎝のカウンター。パンもこねられる。

10.シンク、コンロ端のスペース

今回キッチンはキッチン両端のスペースがほぼない。コンロ横に15㎝スペースがあればモノを置けるし、シンク横に15㎝スペースがあれば水切りラックが余裕で置ける。システムキッチンはコンロとシンクの配置を指定できる場合が多くなってきたので、キッチンリフォームする方は15㎝のスペースが欲しいと工務店やメーカーアドバイザーさんに伝えてください。

コンロ横スペース寸法。15㎝あればモノが置けて使いやすい。

キッチンのシンク横寸法は重要

我が家は結果こうなりました。

水切りラック。奥行68㎝×巾25㎝以下の商品を探すのに苦労した。

奥行70㎝の特殊キッチンに合う既製品の水切りラックがほとんどなく、探すのに苦労しました。

 

11.レンジフードの高さ

今回のレンジフードのスイッチが少し高い。測ってみると、通常のレンジフードはスイッチ位置が173㎝くらい。今回は180㎝あった。キッチンリフォームする方で背が低い方はレンジフードの高さはショールームに行って必ず確認してください。レンジフード標準設置位置というのはありますが、工務店にきちんと指示すれば標準でない高さにレンジフードを設置してもらえます。

レンジフードの高さも重要。スイッチに手が届きにくいと不便。

 

キッチンだけでくどくど書きましたが、それくらい毎日使うキッチンの使い勝手は大事です。しかもキッチンは安いモノでも数十万します。工務店やアドバイザーの言う事を鵜呑みにせずに、必ずショールームに行って使って体感して、その上でリフォームするようにしてください。

 

この使いにくいキッチンを検証の結果「このマンションを新築時で購入した方は男性で左利き、一人暮らし、あまり料理をしない」というプロファイリングになりました。

 

このように建築士は住環境からお施主様の色々を推測する面白いお仕事です。

 

「キッチンだけでこんなに細かく自分だけで判断つかない!」という方はアースカラー設計の女性一級建築士にご相談ください。リフォーム、リノベーションこそ設計事務所に依頼して、楽で自分の思い通りになり、しかもリフォーム会社に依頼するよりトータルで安く工事できます。

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