独立して初めての店舗。自宅からテナントへの移動。商売のステップアップのための改装。店舗の計画・改装はいつも事業主様の栄えある第一歩と共にあります。ここでは店舗設計の依頼先選びのコツをまとめています。

新規開業の方・借入予定の方は事業計画書から

「自分の店を持ちたい」と思ったらまずは事業計画書を作ります。
月々の固定費、テナントを借りる時の敷金・礼金、当面の運転資金*1、そして工事費や什器*2などの備品費。事業計画書はお金を借りる時には必ず必要になります。

「事業計画書?」と思った方は商工会連合会・商工会議所に新規事業者のためのセミナーがありますので問い合わせてみましょう。

融資はどこで受けるのか?

融資を受けるのであれば日本政策公庫(旧国民生活金融公庫)が一般的です。お近くの日本政策公庫の営業所に自分はお金がどれくらい借りられるのか、借りるためにはどんな手続きが必要か、を聞きに行ってください。

また、自治体から新規事業に対しての補助金*3が出ている場合があります。開業予定の地域の役所で聞いてみてください。補助金がもらえれば、しめたものです。

カフェ開業希望なら

人気のカフェ開業希望の方は、まずこの本を読んでください。

成功開業法
成功開業法

繁盛するカフェ成功開店法成功開業法

立地・経営・メニュー作り・厨房の能力・資金調達などが一通り丁寧に説明してあります。かなり細かい内容ですが、経営とはこういうことだという事がよくわかります。この本を読みながら、ざっくりでも良いので投下資本*4計画を出し、損益分岐点*5を割り出し、事業計画書までを一度書いてみることをおすすめします。

カフェをはじめてみませんか
カフェをはじめてみませんか

カフェをはじめてみませんか?

特に小さなカフェ開業希望の方はこの本も読んでください。

実際にカフェを開業した8店舗の想いや工夫・苦労、また運転資金の確保が大切であるという事がよくわかります。開業までのプロセスも上記の本とは少し異なりますが簡単に書かれています。

デザインの系統によって依頼先を変える

事業計画書を書き上げたら、自分がどんな雰囲気の店舗にしたいのか、何にこだわるのか、店舗工事にいくらまでならかけられるか、がはっきりしたと思います。

さて、どこに工事やデザインを依頼すればいいのか。まずは自分が作りたいお店のデザインの系統を確認します。デザインの系統は大きく二つに分かれます。

斬新なデザインに懲りたい
例 : バー・居酒屋・都市型カフェ・美容院・アパレルショップ

 

    • この場合は店舗専門のデザイナーに依頼するのが良いでしょう。

 

    • 特にバーなどは写真写りの良い最先端の素材を使うため、店舗専門でない設計では店舗用の素材の知識が不足することがあります。

 

 

ほっこりおうちの延長のような雰囲気にしたい
例 : 整骨院・個人病院・癒し系カフェ・ケーキ屋・パン屋

 

    • この場合は、住宅が得意な設計事務所やリフォームショップに依頼するのが良いでしょう。

 

    • 特に整骨院や病院は天然素材にこだわる事が多く、店舗専門のデザイナーでは天然素材の知識が不足する事があります。

 

 

具体的にどこに頼めばいいの?

店舗改装の設計・工事は住宅を依頼する以上にどこに頼んでいいかわからないのが現実だと思います。一番良いのは、同じ業種のお友達から設計・デザイナーまたは工務店を紹介してもらってください。

または、自分のお気に入りの雰囲気のお店があれば、そのお店の人に直接聞いて設計・デザイナーを教えてもらってください。この方法が一番確実だと思います。設計やデザイナーは総工費の約10%を設計料・デザイン料としているのが一般的です。

工務店に店舗改装を頼んでみよう

「とくにこだわりはない」「イメージは自分の頭の中で出来ている」「居抜き*6の物件をきれいにするだけ」という場合は工務店に直接依頼するのも良いでしょう。設計・デザイン料がかからない分安くあがります。

ただし、基本的に工務店は細かい提案はしてくれないので、自分で雑誌の切り抜きを集めて見せたり、イメージに近い店舗を工務店と一緒に見て回ったり、とイメージ通りに工事してもらう努力が必要です。

ご自分の店舗のこだわりによってどこに依頼するか十分検討して決めてください。

工事を安くあげるには

職人さんしか出来ない事(木工事や設備工事・電気工事)はきちんとやってもらって自分達でできることは自分達でやりましょう。自分達で天井をペンキで塗る、塗り壁を塗る、くらいは誰でもやっていますし、店舗コンセプトが素朴な雰囲気がご希望なら味が出て良いでしょう。

また、照明器具やカーテン、家具などの什器はネット通販で安く買いましょう。照明器具(直付品*7)は電気工事が絡むので、職人さんと打ち合わせの上、工事に間に合うように手配しましょう。

カーテンや照明器具や什器は設計やデザイナーに選んでもらうと、商品価格の約1割をデザイン・手配料として計上されます。安くあげたいと思ったら、何でも自分でやることです。

ただし、高級層の客層を狙う場合は全てプロにデザイン・工事してもらい、隙の無い店構えを心がけてください。

整骨院・個人病院は設計事務所へ

アースカラー設計は個人病院・整骨院など「ほっとする空間にしたい」「少しでも緊張をやわらげたい場所」の改装の設計・デザインを多くさせていただいております。

医療系はその業態の特徴から天然素材使用のご希望が多く、また、前回は自分が考えた間取りのまま工務店に改装してもらったが、素人考えではやはり使いにくかったという事からのようです。

誰か相談相手が欲しい!と思うのであれば、店舗改装を設計事務所に依頼するのはとても安心だと思います。とことんお付き合いいたします。

 


 

*1 経営を行うために経常的に必要とする資金。原材料費、仕入代金、人件費、店舗の地代家賃などが該当する。どのような業態であっても経営を続けていくためには必ず必要となる。

 

*2 日常使用する家具・道具・器物の類。店舗で言うと、主に商品を飾る棚などの事を指す。

 

*3 自治体によってどんな事業に補助金が出ているか異なる。この場合も事業計画書が必要となり、当然審査がある

 

*4 開業にかかわる全ての金額

 

*5 売上げが、この金額を超えないと赤字、という指標

 

*6 家具・設備などをつけたままの建物の状態

 

*7 カチッと取り付ける取り付け簡易型ではなく、電気屋でないと取り付け不可な器具