「ほんとうのバリアフリー建築」を読んで

【レトロ・アンティーク・間取り相談・家相診断・関西・福岡の女性建築家(設計士)】

 

主婦で一級建築士の土肥です。

 

「車椅子・高齢者・ネコのためのリフォーム」という記事を書いていますが、実は実家が「車椅子・高齢者・ネコのための家」です。5年前に実兄が事故で下半身不随になったのをきっかけに、車椅子自活仕様にリフォームしました。というより、しなければならなかった、と言った方が正しいです。

 

リハビリテーションセンター入院には期限があり、戦前の家である我が実家は車椅子では絶対に暮らせない家でした。また、親は高齢で車椅子を支えるほどの体力もない、むしろ高齢者にも安全なバリアフリーの家にする必要もありました。

 

市の福祉担当者さんや市指定の工務店さんは、兄の使い勝手をきちんと確認することもなく(不思議)、また、構造をいじりお金が非常にかかるプラン(柱を4.5㎝ずらして通路を確保する、という費用対効果ゼロのプラン)、家族が希望しないプラン(床の間を潰してトイレにする)を提案してきました。幸い我が家は自分が建築士ですので、家族の意向をくみ取り、予算内に納まるように、結局自分で設計し直しましたが、自分の立場が建築士でない一般の人間だったら、さて、どうしたのだろうかと、今でもゾッとします。

 

リフォームから3年経ち、予算が許せば、ああしたかった、こうしたかった、と思いながら、当の車椅子の本人はどう感じているのかな?と思うのですが、無口な兄なので、家に対しての文句は全く言いません。でも、実はこうして欲しかった、は絶対にあるはず。

 

そう思っている時に出会ったのがこの本です。

 

ほんとうのバリアフリー建築: 車いすの一級建築士が教える

 

こういうテーマの本だと、通常は、バリアフリー住宅の寸法が書いてあるのですが、この本は全く違いました。突然事故で障害を持ってしまった人の気持ち(家族に弱音を吐けない)、突然家族が障害者になってしまった家族の気持ち(今後の生活の不安)、そこを紐解いて、今後どのように生活したいかを設計に盛り込むことが、設計者として最重要事項である、と書かれていました。

 

兄が妹である自分に何の文句も言わないのは「いろいろやってもらっているのだから希望を言うのは申し訳ない」と思っているからなのだろうな、とこの本を読んでハッとしました。弱音を吐かない兄を健気だと思っていましたが、本人が一番ショックだったのは当然で、今後色々と迷惑をかける家族に対して気が引けていた、という兄の気持ちを察することはできなかったのだな、と、強く反省しました。

 

この本をきっかけに、兄との今後の情報交換ももちろんですが、うちの家族と同じような境遇に困惑するご家族の住環境づくりのお手伝いが出来たら良いな、と心から思いました。我が家の事例を含め、もっと勉強しなければいけないですね。

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