車椅子は自分一人で自由に動けてなんぼ

【レトロ・間取り相談・家相診断・バリアフリー住宅・関西・福岡の女性建築家(設計士)】

 

主婦で一級建築士の土肥です。

 

昨年は公私ともに忙しすぎて、ブログ更新が滞ってました。今年は月1本でも記事を上げていきたいと思います。

 

バリアフリー住宅」というカテゴリーをサイトに上げてから、将来の車椅子使用を見込んでの設計や障碍者向けの設計のご依頼がぐっと増えました。

 

将来的な車椅子使用を見込んでの設計は「将来の体の状態が予測できないので、予測で設計する」には、なります。「お風呂はデイサービスに任せますか?」など行動の範囲を仮定で決めない事には、どんどん面積が足りなくなるからです。

 

ちなみに、うちの兄は「下半身不随=下半身に全く力が入らない」ですが、老いで足が弱くなっての車椅子使用は「足の筋力が落ちてしっかり立てない=足に力が少し入る」です。この2種類の差はとても大きく、介助する方の負担も変わってきます。

 

自分の意志がはっきりしている方は自活(自分の意志で勝手に車椅子で動き回る)環境の設計になります。つまり「対象者に合った、誰にも頼らず、安全に移動・生活できる環境」を作ることが非常に大切です。腕の力が無くても電動車椅子の使用があります。これは、要所でヘルパーさんが入るにしても、極力自力で何でもできる環境を整えることが、ご自身+ご家族にとっての自由につながります。

なので、例えば住宅は平屋が一番良い。玄関は車椅子使用者本人は一人で勝手に出入りできるように、屋内にリフトが必要です。2階・3階建ての場合はエレベーターがベストです。様々な理由でエレベーターが付けられない場合は、階段につける「車椅子から昇降イスに乗り移ってのイス型リフト」が採用されますが、これは「介助者がいないと利用できない」+「各階に車椅子が必要」になってきます。できれば「車椅子ごと乗れる階段用リフト」の設置をオススメします。

 

車椅子はけっこう重く、場所を取るので邪魔でもあります。また、1台60万円程度しますので(後からお金は公的支給で返ってきますが、購入時には自分での支払いが必要です)何台も買いたいモノではありません。外出用と屋内用の車椅子を乗り換える事もありますが、結局うちの兄は屋外用のタイヤを拭いてから屋内に入る形になりました。車椅子から別の何かに乗り移る瞬間が一番危険で、車椅子使用者本人が最も怖い一瞬だからです。

 

車椅子が入れるユニットバスは1621という大きなサイズです。これにベンチを置いて使用します。しかし、浴槽が大きすぎて水道代がかかるという難点があります。介護用の1621のユニットバスは浴槽がお手頃小型サイズで手摺も十分付けられ、介助スペースもばっちりなのですが、健常者用のユニットバスに比べて、かなり割高です。キッチンも車椅子用は健常者用より割高で種類も少なく、本当に自宅の対自活車椅子用リフォーム時は予算取りで難儀しました。

 

土肥の実家の北九州市は田舎で、普通のタクシーを呼ぶと車椅子であることを理由に乗車を嫌がられたり(嫌味言われても乗りますけどね!)、事前に連絡しないとバスに乗れなかったり、車椅子用トイレがないとの理由で働きたくても対応できる作業所がなかったり、きちんと住環境を把握されないままケースワーカーがプラン提供したりと、本当に障害者にとっても介助に携わる家族にとっても厳しい状況です。

 

北九州市も関西のように、きちんとソフトもハードもノーマライゼーションに対応して欲しいと願うばかりです(債務多い北九州市は予算ないんやろな。。。)。

 

いつか健常者・身体障碍者・精神障碍者・海外の方・老いも若きも助け合いながら生活できる、シェアハウスを作りたいな、と思っています。そのシステムが完成したその頃には、自分もそのノーマライゼーションなそのシェアハウスで安全に快適に広い空間を安価に皆で分かち合いながら、「遠くの親戚より身近な他人」と助け合いながら、暮らしていたら良いなと思います。

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